患者さんが知っておくべきこと


歯科はてな

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日本人は外国人より歯が弱い?顎も小さい?何が原因なの?

日本は、他国と違い歯に対する意識が低いようです。
なぜ低いのかを調べてみると様々な理由が取り上げられています。
1.日本食の素晴らしさや水なども原因の一つ?
2.歯ブラシの注意点や交換時期はいつ?
3.国民健康保険の制度による影響とは?
4.子供の乳歯があるのに永久歯が生えてきた?
5.海外では歯並びは就職に響く?

日本食の素晴らしさや水なども原因の一つ?

日本食の料理は他の国と比べると、あまり噛まずに食べられるように加工する技術が高く、少し噛めば食べられる柔らかい料理が多いのが特徴です。
しかし噛まないことでアゴの形などに影響がでてくるので、歯並びが悪くり歯ブラシもしずらくなってきます。結果的に親知らず以外にも歯を抜いて矯正治療を行わなければならないケースが増えているのが現状です。
※ 他国はフランスパンなどの固いパンを好んでいますが、日本人は食パンのように柔らかいパンが好きなようです。

また、噛む回数と唾液の分泌量は比例していきます。唾液には抗菌作用の効果があるので分泌量が少なくなることで「虫歯」になりやすくなってしまします。

飲み水(軟水/硬水)よっても影響は出てくると言われています。
●軟水:カルシウムイオン及びマグネシウムイオンが少量に溶けている水を軟水
●硬水:カルシウムイオン及びマグネシウムイオンが多量に溶けている水を硬水

日本の水道水は「軟水」で、フランスやアメリカなどは「硬水」です。日本では歯の自然治癒というフレーズはあまり聞かないですが、硬水がメインである国は水道水で歯をすすぐと、欠けた歯が治るケースも実際に起きています。
実は唾液中に含まれるカルシウムには、歯の小さな傷を直す効果があります。ですので「軟水」「硬水」で普段の生活を意識するだけで日本人でも自然治癒効果は可能となります。

歯ブラシの注意点や交換時期はいつ?

だれもが毎日する歯磨きですが、歯ブラシの交換時期はいつ頃がベストなのか?
歯ブラシのタイプも「ふつう」「やわらかめ」「かため」がありますが、どれを選べばよいかわからない方も多いと思います。

交換時期については、一般的に1日3回のブラッシングで月に1回交換するようにしましょう。
見た目で問題がないように見える歯ブラシでも、見えない汚れや、毛に雑菌が付着してしまい衛生的によくありません。
電動歯ブラシなど使用している方も、月に1回はブラシを交換することをオススメします。

注)歯磨きの注意点

歯磨きで大切なことはプラークコントロールになります。
プラークコントロールとは、歯に付着したプラーク(歯垢)を歯磨きで落とすことと思っている方が多いですが、歯磨きだけでは歯垢を落としきれません。ですので歯間ブラシやデンタルフロスで歯垢を除去したり、クリニックにてクリーニングをしたりします。
細菌の増殖を抑えることをプラークコントロールと言います。
細菌は寝ている間が一番増殖しますので、寝る前の歯磨きを忘れると虫歯になりやすくなります。

歯磨きの仕方については、歯科医院さんに教えてもらうことがベストですが、
歯ブラシの選び方としては、こちらを参考にして頂ければと思います。

【歯ブラシの固さについて】
●「ふつう」  :歯肉に特に問題のない方にオススメ。
●「やわらかめ」:歯肉が弱かったり出血しやすい方にオススメ。
●「かため」  :歯質が強く、歯肉も厚い方にオススメ。

歯医者さんがオススメする磨き方としては「やわらかいブラシでゆっくりやさしく」が一般的かと思います。
ゆっくりやさしく磨くことで、毛先が歯間にしっかりと入り歯垢をかきだしてくれます。
固めにブラシを好む方は、爽快感が得られますのでどうしても強く磨きがちになります。強くしてしまうと毛先が斜めになってしまい、歯の隙間に入らなくなりますので歯垢が残りやすいと言われています。

国民健康保険の制度による影響とは?

日本は「国民皆保険制度」をとっており、生まれてから亡くなるまで何らかの医療保険に加入することになっています。
医療費は厚生労働省が全国一律に決めており、患者さんは一定の負担金だけを支払い、残りは国が負担しています。

一方、欧米ではこういった制度がない国も多く、自分で民間の保険に加入するか、高額な治療費を実費で支払うしかありません。
「同じ治療でも日本では数千円、欧米では数万円かかる」というのはよくある話のようです。患者さんにとっては治療費が安いに越したことはないのですが、こうした治療費の差によって実は日本と欧米の歯に対する意識に大きな差が生まれてしまったと言えます。

高額な治療費を自己負担しなくてはならない欧米では、普段から虫歯や歯周病にならないように努力し、自己管理を行っています。「治療」の為だけでなく「予防」にも力を入れており、メンテナンスやチェックのために頻繁に歯科医院に通っています。ある調査では「歯やお口の中の健康を保つために虫歯などのトラブルがなくても、歯医者に行く習慣があるか」の問いに対して、アメリカでは76%が「はい」と回答しましたが、日本はたったの36%でした。

日本は経済的にも豊かで、健康に対する意識も非常に高い一方、歯科治療に関しては治療費が格安であるがゆえに、
「虫歯」や「歯周病」に対しての危機意識が低く、結果的に普段からのケアもおろそかにしがちになってしまったと言えるでしょう。

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